新人クライシスの乗り越えかた

朝言ったことまとめ+新しいこと

 

・新人に大事なことを任せる人はいない(任せる人がいたらその人自身がバカ)

失敗したりうまくできなかったりしても致命的なダメージを受けないこと、先輩や上司たちがリカバリーできることが間違いないことしかやらせない

→そんな大事なことを新人の自分なんかにやらせてもらえるなんて思い上がりでしかない。

自分を過大評価しすぎ

 

・にもかかわらず、そういったことをやらせてもらえるならば、逆に言うと、「この人にはこれを任せられるだろう」という冷静で慎重な分析のもとに下した判断がその裏付けとしてあるということ

「お墨付き」だということ。だから、そこは、自分としてはあまり自信がなかったとしても、それをやるよう指示した上司や先輩を信頼していい

「いちかばちかやらせてみて、だめだったら新人を責めればいいし」なんて考えの人が優秀なはずはないし、そんな愚か者はとっくの昔に自滅して社会から去っているはず

 

 

・上司や先輩の言葉は「文字通り」に受け取ること。じゃないと、その指示やアドバイスを的確にとらえることができず、業務や仕事覚えに支障がでる

その言葉以上でも以下でもない。余計な裏読みや行間読み、意訳は必要なし

ビジネスの言葉だから、文字通り以上に受け取ってはいけないし、文字通り以下に受け取ってもいけない。事故のもと

たとえば、「受動的ではなく能動的に取り組まないといけない」というアドバイスを受けたなら、どういう点が「受動的」と指摘されたのかを考え、どうしたら「能動的」になれるかを考えて実践する

そのうえで、いまいちわからないことがあればその点を質問。あいまいにしていると的確に遂行できないから

やろうとしてもなかなかうまくいかなければ、さらにアドバイスをお願いしたっていい

要は、アドバイスや指示を間違いなく遂行することがビジネスの上では第一なので、そのために必要なことがあるならなんだって遠慮することはない

 

 

 

・新人は誰でも、覚えることがいっぱいあり、できないことがいっぱいあり、さらに体力的・精神的な疲れも加わることから不安や心配でいっぱいになる

自信もなくなるし、自分はなにもできないんじゃないか、普通に社会で働くことなんてできないんじゃないかといった徹底的な落ち込みに陥ることもある

マイナス思考でいっぱいになる

仕事に行きたくないと思ったり、涙が出てきてしまったり、自分はどうしてこんなにだめなんだと無限ループで考えてしまったりする

それは仕方のないことだし、やめようと思ってもなかなかやめられなかったりするんだけど、でも、そうやって悩んだり落ち込んだりすることにいくら多くの時間をかけようとも、いくら真剣になろうとも、正直なにも解決すことはない。

反省会を延々とすることが、反省しているしるし、深刻に受け止めているしるしなのだと、自他に向けて言い訳・アピールしてるだけ。

過剰な反省会は、肝心の「解決策」にはなにも貢献せず、ただただマイナス思考を増長させるだけにすぎなくて逆効果でしかない

→なので、反省会は、

1 「時間を決めてやる」(30分もやれば充分)

2 反省点や今日受けた大事な指摘、指示をノートに箇条書きで書く

3 「感情」の反省には極力時間を割かない

4 改善策は具体的に、システムとして考える(「間違えないように気を付ける」とか「がんばる」とかは☓。どういうシステム構築をすれば、まかり間違っても失敗を繰り返すことはないかという工夫に知恵をしぼる)

 

 

・繰り返しになるけれども、新人にとって一番重要な課題は、「毎日、遅刻も欠勤もせず、元気に出勤すること」。正直これだけ。

でも、これって口で言うほど簡単なことではない。それは、新人クライシスに耐えつつ体調管理、メンタル管理をしないといけないから。

もちろん、毎日元気に出勤したうえで、言われたこと教えられたことがたちどころにできたり、あわよくば言われる前、教わる前にできちゃったりしたらかっこいい。けど、そんなことを望んだりできると考えるのは単によくばりなだけ。

新人は「できない」こと、「無力」「無能」が大前提。「毎日、遅刻も欠勤もせず元気に出勤する」を死守するのがせいぜい関の山だし、それができないなら、ほかのこともできるはずがない

だから、「毎日、遅刻も欠勤もせずに元気に出勤すること」を達成するうえで邪魔なことはぜんぶ、容赦なく排除すべし

30分の反省会がそれを阻むなら、その30分の反省会すらしなくていい

いろいろと考えてしまうなら、機械になったつもりで心を無にする

そうやって1週1週無心で乗り越えて行くうちに、いつのまにか勤め人のペースに慣れ、知らないうちにできることが増えていたりする

そして「脱新人」となる。そこで初めて次の課題ステージ「もう新人ではない」に移行する

だからそこまでは、無心で元気に出勤することだけを果たそう。それができれば上出来、御の字と、ハードル低く考える

悩んでも悩まなくても、できないことはできない

同じく、悩んでも悩まなくても、できるようになることはできるようになる

ならば、悩んで心身の調子を狂わして絶不調でいるよりも、せめて心身元気印でいるほうが総合的にいい

悩まないことで、余計な力みや重圧から解放され、すんなりできることが増えるという効果もある

ダメ出しされるのが恐かったら、「新人なんでえ~ごめんなさい」と思えばいい。

「新人なんでえ~ごめんなさい」の免罪符が使えるのは新人時代のわずか2~3年のみ!

めいっぱい使い倒そう!

 

 

・育てる方は、「すぐにできない」「うまくできない」ことには失望しない(すぐにうまくできないことは承知の上だから)

失望するとすれば、できるようになろう、うまくできるようになろうと「取り込もうとしないこと」に失望する

なので、その姿勢が見られれば見守ってくれるし、プラスになると思うからこそのさらなる助言もしてくれる

 

・基本的に雇う方は、「こいつがだめなやつかどうかせいぜい見極めてやろう、で、だめなやつだったら再起不能になるくらいボコボコにして、むしろでぐるぐるのすまきにして東京湾に捨ててやろう!」なんて思って雇っていない

「心中」とまではいかないけど、雇うか雇わないかという自由選択があるなかで「雇う」と決めたからには、雇われる人にとっても雇う自分にとってもウィンウィンになるよう、一蓮托生の思いで大切に育てていこうという気持ちがあるはず

できれば、楽しく長く働いてもらいたいという希望があるはず

(それが自身にとっても、クリニックにとっても最良なことだから)

きっと、今週末は院長夫妻は家で反省会したにちがいない。他の先輩たちに様子を聞いて、「もうちょっとこうしたほうがいいんじゃないか」といった提案にも耳を傾けたんじゃないか?

雇う方も、オレのやりかたについてこれないならさっさと離脱してくれて結構だ、なんて思ってないよ

どうしたらいいかな?っていつも考えて、ときには悩んだり、落ち込んだりっていうことも雇う側の人にもある

努力の甲斐なく、辞められてしまったら、自分には人を雇う資格、若い人を育てる力がないんじゃないかってはげしく自信喪失して落ち込むはず

(新人の悩みとは別の、もっと上級者にも、その立場なりのこういう悩みがある)

 

・「困難は分割せよ」←17世紀フランスの哲学者デカルトという人の言葉。

「ここで働き続けるのは無理かも」って、考えるだけで泣きたい気持ちになるなら、「働き続ける」っていうふうには考えないようにする。

辞めるのはいつでも辞められるし、最悪「ばっくれる」(現代用語では「とぶ」ともいう)こともできるわけなので、ほんとうに出勤しようと思うと体が動かない(泣)とかいう状態になるとかじゃなければ、「今週だけは行こう」「明日だけは行こう」って「分割する」

30年働き続けるのは途方もなくてとてもできそうになくても、明日1日ならなんとか行って帰ってこれないというほどでもない

分割することで、困難を粉々にして平易なかけらにして、その平易なことをひとつひとつこなしていくうちに、とても無理だと思ってたこともいつの間にか成し遂げられていたりする